平成15年度は適応指導教室に所属しながら「家庭訪問相談員」を担当していました。主に不登校になって引きこもってしまっている生徒の家庭訪問をしていました。私としては引きこもりへの社会復帰の援助、支援だと考え行っていました。どんな役に立てるのか全くの未知数だったので、しっかりと寄り添って行くことを目標にしていました。

 適応指導教室とは

適応指導教室とは地域SSN(School Support Network)事業の一機関になります。不登校の生徒達が学校の変わりに通ってくる場です。市の教育委員会が運営しているフリースクールみたいなところです。数名の指導員と一緒に勉強や体験活動、リクリエーションなどを行い、引きこもりがちになる生徒達の社会的自立を支援するものです。

 適応指導教室の1日(例)

9時頃~それぞれが自分のペースで通級してきます。
~10時自主学習など自分で計画を立てて取り組みます。
~11時パソコンやレクリエーションなど仲間と一緒に活動します。
11時30分家に帰ります。

  「家庭訪問相談員」とは

「家庭訪問相談員」の対象となる家庭は、小学校で引きこもりになって間もない児童の家庭と適応指導教室に通級しながらも、通級が停滞した児童生徒になります。家庭に伺って本人や保護者への心のケアをしながら、段階をおって社会復帰を目指す支援をしていました。
実際は、本人に会えなかったり、なかなか変化が見られなかったりで進展のあるケースの方が少ない状態でした。本人はもちろんのことですが、家族も孤立しがちになってしまうので、いかにつながっていくかが大切にしていました。

 家庭訪問の様子

学校の担任及び生徒指導から依頼のあった児童生徒の家庭を訪問します。訪問は週に1回、約1時間ほどになります。
初回は担任と同行で家庭訪問をするか、学校や適応指導教室で面接をしたりします。面接にて、他の専門機関への紹介が適切と考えられる場合は、紹介先の情報提供もします。面接後、担任などと電話連絡を取り合い、面接での様子や家族からの依頼事項を伝達するなどの情報交換をしていました。

 別室登校生徒の対応

週に1日、午前中だけですが、中学校に行って別室登校をしている生徒達と共に過ごしていした。おしゃべりをしたり、一緒に勉強をしたり、給食を食べたり…特に何かをするわけではありませんが、数時間を一緒に過ごしてました。
別室登校している生徒達は、学校に来ていながらも孤立した環境と状況になりやすいと私は感じていました。もちろん、生徒指導担当や不登校担当の教師はいるのですが、授業もあるのでずっと付き合っていられるわけではありません。心の教室相談員がいた時には、少なくとも日常的に一緒に過ごしてくれる人がいたわけですが、スクールカウンセラーが配置されるようになってからは、心の教室相談員はいなくなってしまったので関わる人がいなくなってしまったのです。教師やスクールカウンセラーだけでは補いきれないところをお手伝いしている状況でした。とは言っても…生徒達と過ごす時間は限られているので、どれだけ役にたつものなのか、これでいいのか、悩みながらやっていました。
私が大切にして入るのは、真剣に、誠実に、正直に…生徒ひとりひとりと向き合うことです。別室登校の生徒達は、一様に他の生徒達と会うことを恐れています。また、教師に対しても特定の教師とのみ関わることが多くなってしまいます。そんな中、少しでも安心できる人との関わりを体験して欲しいと思っていました。信頼できる人との関係がさらに人間関係を広げていける手助けに、きっとなることを私は願っていたのです。

 













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