心の教室相談員って?

平成13年度、14年度、浜松市内(旧浜北市)の中学校で心の教室相談員として活動しました。
スクールカウンセラーではありませんが、同様な活動だったと思います。
教育現場で様々な子どもたち、保護者、教師たちと関わってきました。
現在、あるいは今後教育現場で活動する方達の参考になればと考え記録しておくことにしました。
 
 中学校「こころの教室相談員」について
  平成13年度9月より心の教室相談員として活動を始めました。
  その当時の資料による説明です。
 
目的は生徒の悩み、不安、ストレスに対し、気軽にカウンセリングできる「心の教育(教室)相談員」を市内中学校に配置し、その活用と効果に関する調査研究を行なう。となっています。
全ての中学校に心の教育(教室)相談員がいるわけではありません。私の住む市では60%の中学校に配置されています。

本年度の実施期間は平成13年4月5日~平成14年3月29日頃までとなっています。
調査研究委託事業との名目通り、まだひとつの事業として確立されているわけではありません。あくまでも調査研究のためなのです。

調査研究の内容は児童生徒のいじめや校内暴力などの問題行動、不登校などの学校不適応その他生徒指導上の諸問題に対する取り組みのあり方・児童生徒の問題行動などを未然に防止し、その健全な育成を図るための活動のあり方となっています。

心の教室(教育)相談員の職務は児童生徒への悩み相談・話し相手、保護者との相談・地域と学校連携の支援(家庭訪問も可能)・他の教育相談員との連携、カウンセリングなどの研修参加・その他学校の教育活動の支援となっています。

具体的な実施の計画は各相談員に任せられています。ですから、何から何までひとりで考えて、ひとりでやっていくしかないのです。前任者からの引き継ぎもなく、資料や今までのデータが残っているわけでなく、ないない尽くしの手探り状態で勤務をしているような状況です。また、どんな人が相談員として勤務しているかというと、元教師がほとんどのようです。私のような資格を持ったカウンセラーは少なく、教育委員会ではカウンセリングを専門とする人材を求めているようです。

心の教育(教育)相談員の勤務は各中学校の実態に沿った活動内容、相談体制で実施する。契約勤務時間は1日4時間×108日(年間432時間)であるが、1時間単位で柔軟に運用してもよい。心の教室(教育)相談員を生徒指導に関する校内組織に組み入れ、積極的に活用を図る。となっています。

契約は1年単位で、時給制です。4時間以上の勤務の時は30分の休憩時間がとれます。自分のスケジュールに合わせて勤務できる反面、独立した仕事としての収入が得られるほどではありません。市の職員ですが、保険や交通費などの手当てもありません。相談員によっては、時間以上に勤務している人がいるようです。もちろん、その場合は無償なのでボランティアになってしまいます。

他に、他機関などとの連携も求められていて市教育委員会主催の教育相談関係者連絡会などの参加やスクールカウンセラーや医療関係機関との連絡や相談など、カウンセリングの方法や指導のあり方、個々の児童生徒理解などについて常に連携を図る。となっています。

私の場合、個人的なネットワークで臨床心理士や医療関係者との連携が出来ていますが、他の相談員の方はどうなのでしょう。気になっているところです。

 一日の流れ

時 間スケジュール場 所業 務 内 容
10:00出勤職員室心の教室の鍵を開ける。
メールボックスの確認
心の教室の整理整頓
10:10~20分休み心の教室生徒と交流 ゲームやおしゃべりなど
面接相談(予約のみ)
10:30~授業中職員室書類作成
心の教室通信「おーぷんはあと」
利用状況報告書
業務報告
面接記録
活動計画書など
交換ノートの記入
掲示物作成
今月の予定
相談予約表など
教師と情報交換
12:30~昼食職員室昼食と休憩
12:50~昼休み心の教室生徒と交流(ゲームやおしゃべりなど)
面接相談(予約のみ)

13:30~

14:30

授業中職員室書類作成
交換ノートの記入
掲示物作成
教師と情報交換
活動記録ノートの記入・提出

 心の教室の様子

8畳くらいの広さで、応接セットとテープルと椅子があり15人くらいがくつろげるようになっています。木目の壁とグレーのじゅうたんで暖かみのある落ち着いた雰囲気の部屋です。私が来たときは少し殺風景だったので、絵やカレンダーを貼ったり、花瓶を置いてみました。

部屋の出入り口は2つあり、それぞれに私の予定や生徒へのお知らせをホワイトボードや掲示物でわかるようにしています。

出勤している日以外でも関わりが持ちやすいように交換ノートやメールアドレスも用意しました。また、メールボックスを廊下に設置して相談の予約カードや手紙、交換ノートの返却に利用してもらっています。

 業務内容の紹介

相談員として、求められているのは生徒のメンタルヘルスだと私は思っています。その為に何が必要でしょうか。
 
まず、学校の中身を知ることが必要だと感じています。面接相談においては、生徒が置かれている環境や状況を分かっていることは生徒を理解する情報として役立ちます。道徳や学活でどんな取り組みをしているのか、クラス単位ではどんな状況にあるのか、などその時々に抱える問題が生徒に影響を及ぼす場合があるので知っておくといいかなと感じています。

その為には、教師との連携がとても重要になります。特に養護教諭との連携は重要に思います。保健室を訪ねる生徒たちの中には、身体的な訴えではあるけれども精神的な不調が感じられる場合が多々あるからです。実際、養護教諭からの働きかけで面接に至った生徒がいたり、面接をした生徒の様子を養護教諭からフィードバックしてもらったり、日常的なやりとりがとても役立っています。

また、気になる生徒がいる時には養護教諭以外、学級担任とも情報交換を密にするようにしています。やはり、学級担任は生徒の日常を良く知っていますし、家庭の事情も承知しています。担任から依頼で面接を受ける場合もあります。生徒個人の問題ではあるけれど、担任も含めて対応した方が私はいいのではないかと思っています。

ですから、教師との情報交換や学校の様子を肌で感じるため、私という人を知ってもらうためにも、休み時間以外はなるべく職員室で過ごすようにしています。教師とのリレーションは大切にしたいと思っています。

予防・開発的なカウンセリングも必要だと感じています。構成的グループエンカウンター(SGE)などもとり入れて行きたいと考えていますが、教師ではない立場で学校の運営の中にどう関わったらいいのかが悩みの種です。

おーぷんはあと出勤の予定や生徒へのお知らせ、
こころのミニ知識などを掲載。心の教室には
自主的にやってくる限られた生徒としか関わり
が持てないので、心の教室のことを知って
もらい、私に親しみを感じてもらえるように
工夫しています。
毎月中旬に発行
生徒・保護者対象
利用状況
報告書
前月度の活動や利用状況、相談状況、
感想など。学校にいる時間が短く、連携を
とる機会が少ないので、どんなことをしている
のか積極的に情報提供を心がけています。
毎月初旬に
生徒指導担当へ提出
教師対象
業務報告出勤日時や業務内容(箇条書き)月末に提出
市の学校教育課へ
活動計画書1年間の勤務日時及び活動計画4月に提出
市の学校教育課へ
面接記録相談者の氏名、主訴、相談の内容、印象
など。
 
おーぷんはあと
交換ノート
生徒たちとの交流に利用しています。自由
に記入してもらえるように心の教室に置いて
あります。
 
記録ノート校長と教頭に1日の活動や次回の予定、
感想などを報告しています。日常の報告、
連絡、相談に役立っています。
毎日提出
校長・教頭へ
面接相談生徒や保護者とのカウンセリングです。
15分から60分くらいで、複数の相談者の
場合もあります。出来るだけ日時の約束を
してもらっています。
 

 心の教室の運営 

心の教室をどのように運営しているのか紹介したいと思います。実は、先生方から「ただの遊び場になっている」とか「一部の生徒のたまり場になっている」など批判的な意見がありました。そこで、心の教室とはどのような目的で運営されているのかを明らかにしていかなければならないと考えたのです。やっていることを見ていてもらえれば理解してもらえると思っていたのですが、どちらかというと心の教室の存在は学校にとってあまりありがたくない存在のようだということにも気がついてきたのです。一部のスクールカウンセラーの方々が実施している「自由来室活動」を参考に取り組んでいます。
 
 心の教室の目的とは‥
生徒たちのためにある部屋
開かれた場すべての生徒に対して、誰でもいつでも気軽に訪れることの出来る場
新たな人間関係を学ぶ場
居場所すべての生徒に対して、不安な気持ちを受け止める場
学校に通い続けるために力をつける場
相談の場問題のある生徒及び保護者に対して、自らが問題に主体的に取り組む場

 心の教室での対応は‥

【目的】今ある生徒たちをそのまま受け入れ、守られて、安心していられる場を提供し、共有する。
   カウンセリングを応用した援助的な働きかけ(行動を手がかりにして内面に問いかける)

  1. 出来るだけ介入しないでそばで見ている。
  2. 行動を直接的に指示するのではなく、言葉やコミュニケーションを使って介入し、影響を与える。
  3. 問題は解決しなくても気持ちを整理していけるように、どんなことでも丁寧にきちんと話を聴く。
  4. 教師とは違う視点から生徒達の指導、援助について考える。
  5. 生徒自らの力で事態をよりよい方向に変化させていくため、子どもたちが自分たちで学び成長するチャンスを保証する。
  6. 相手を傷つけずに自分自身を的確に表現できるようにサポートする。
参考図書:「スクールカウンセラー」その理論と展望 村山正治・山本和郎編 ミネルヴァ書房
カウンセリング・テクニックを生かした「新しい生徒指導のコツ」 諸冨祥彦編著 学研













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